初心者コーナー【第13回】株の初心者がまず意識しておくこと
今回は、実際に株式を取引する際に初心者の方が気をつけるべきポイントをまとめていきます。
株式を買う前に考えておくべきポイントや、大きく損をしないためのヒントを解説していきますのでよろしくお願いします。
どのような銘柄を探せばいい?
初心者の方はボラティリティ、つまり値動きの激しい銘柄に飛びつきがちです。
そういう銘柄を買ってしまい、想定と反対の値動きをしたときに呆然と損が膨らんでいくのを眺めているだけ、という事態になりかねません。
なのでまず初心者の方におすすめなのは、値動きが比較的小さい銘柄を探してみることです。
業種としては電力・ガス、食料品関連の銘柄は、ボラティリティが低いことで(値動きが狭い)知られています。
こういった銘柄で大きな損をするリスクを減らして経験を積んでいきましょう。
株でどのように利益は得られるのか?
実際に株式を買うということによって、どのように利益が得られるのか説明をしていきます。
売却益(キャピタルゲイン)
キャピタルゲインというのは自身の保有する株が、買値よりも値上がりしたことによって得ることができる利益のことです。
逆に買値よりも値下がりして損失を被ることをキャピタルロスといいます。
配当金・株主優待による利益(インカムゲイン)
実際に株を買って、配当金・株主優待を受け取って得た利益のことをインカムゲインといいます。
ここで大事なポイントとして、値上がり益(キャピタルゲイン)と配当金収入(インカムゲイン)をトータルで見て銘柄選びや売買タイミングを考えることです。
例えば、配当利回りが5%で魅力的だからと買った株式が、1年間で30%下落をしたとすると、トータルでは年間マイナス25%と大きな損を被ってしまいます。
配当金や株主優待につられて株式を買う前に、長期的な値動きや会社の業績について確認することが大事です。
⇒配当利回りについて:初心者コーナー【第9回】Column 配当金・株主優待
どのくらいの期間保有したらいいの?
実際に株を買う上でどのくらい保有するのがいいのか、人によって様々ですが、次のようなトレードのスタイルがあります。
デイトレード
デイトレードとは、その日のうちに買った株を売却する手法です。
これによって非常に短い時間の中で利益を獲得することができます。
必ずその日で買った株式の売却をすることや、損が出ている時の損切ルールを徹底することが重要になります。
スイング
スイングトレードとは、買った株を2日〜1週間の間で売るトレードスタイルです。
短期間にある程度の結果を得ることができるため、人気の高い取引方法になります。
デイトレードと同様に、損切ルールを徹底することが大事です。
中長期
中長期の投資になると、1ヶ月以上株を売却しないのが基本になります。
値下がり時の含み損にも耐える必要もありますが、配当金などのインカムゲインを考慮に入れた投資スタイルです。
相場全体が大きく下がったような買い場で仕込み、長期で配当金を受け取りながら会社の成長を待つということができれば理想的です。
自分にあった投資スタイルで
一概にどのトレードスタイルがよいというわけではありません。
自身の性格や生活習慣、損が出た時の向かい合い方など、様々なことを考えた上でご自身のスタイルを確立していきましょう。
世界経済の動向に注意
株を取引する際には個別の銘柄の事象のみを見ればいいわけではありません。
世界経済は日本にも大きな影響を及ぼします。
日本はアメリカの影響を受けやすい
「アメリカがくしゃみをすると日本が風邪をひく」というように金融業界で言われているほどに、日本経済はアメリカの影響を受けます。
そのため米国の株価や金利政策、大統領などの要人の発言まで非常に注目が集まります。
中国経済の影響
日本は近年中国企業との取引が非常に多くなってきています。例えば、半導体産業などは中国企業に非常に多くの製品を輸出しています。
中国の経済政策や外交は日本の経済に小さくない影響を与えており、中国株式市場の値動きにつられて日本株式市場が神経質に動くこともあります。
国内の経済指標や金融政策
意外かもしれませんが、日本国内の景気指標は相場への影響度が比較的小さいです。
主要な経済指標としては、GDPの発表や日銀短観、消費者物価指数などの指標があります。
日銀金融政策決定会合の発表などで金融政策が株式市場に影響を与えることがあります。
日銀総裁の発言や閣僚会合、内閣府での決定事項などでも金融政策の見解が伝えられるので、こういったニュースもこまめに見るように心がけたいです。
為替の動きも大事
このグローバル化の時代に為替の存在は無視できません。
特に自動車や半導体産業など、製造業のような外需産業には非常に重要な指標の1つになります。
為替相場と株価の関係
為替の値動きは、円安(ドル高)になると輸出産業に有利となり、逆に円高(ドル安)になると輸入産業に有利に働きます。
日本は自動車産業が日本のGDPに占める割合が大きいので、円安であると株価全体が上がりやすい傾向があります。
物価上昇率
物価上昇率は、今どのくらいインフレが進んでいるのかの1つ指針となります。
適度なインフレは経済成長には不可欠であり、物価上昇率を通じて経済の現状を把握することにも繋がります。
長期的な経済動向を知ることのできる指標のひとつであり、各国で発表されているので国際比較も可能です。
物価上昇率は、その国の政策金利を決定する材料になるので、為替相場に対しても大きな影響を与えます。
初心者におすすめする投資方法
それでは、実際にどういった投資を初心者は心がけていけばいいのでしょうか。
様々ある投資方法の中でも特に初心者におすすめな手法をピックアップしていきます。
少額投資
まずいきなり数百万円を株式に投資するのではなく、少額投資でリスクをかけすぎることなく、最初は勉強をするつもりで投資を始めていきましょう。
分散投資
1つの銘柄に固執して大量に買い込むのではなく、様々な銘柄に投資をすることで損失リスクが分散されます。
また、輸出銘柄、内需銘柄、業種別など様々な分類分けをしたうえで、同じタイプの株式を避けることがリスク分散になります。
輸出に頼る銘柄は為替の影響で値動きするリスクがあるとしたら、内需銘柄を一緒に買っておく、というようにバランスを取ることができます。
時間分散
時間分散とは投資の際に一度に全部の資金を使うのではなく、時間を空けて買いたい銘柄を買い増しすることで、高値掴みするリスクを減らし、平均の取得単価を低く抑えることにもつながります。
ご自身が取引する際に上記の項目を意識してみてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
【記事を気に入っていただけましたら↓「いいね」をお願いします】