初心者コーナー【第9回】Column 配当金・株主優待

みなさんこんにちは!

先週は信用取引の紹介をしましたがご理解いただけたでしょうか?

難しい言葉や数字が多く、大変に思った方もいらっしゃったかもしれません。

 

今週からはコラムということで、ちょっと軽めのお話を二回に分けて更新しようと思います。今回は株式を購入するうえで楽しみとなる、配当金・株主優待についてです。

株価の値上がりによるキャピタルゲインだけではなく、今回の記事を読んでインカムゲインにも注目していただけたらと思います。

 

  • 配当金とは
  • 配当利回りランキング(2019/02/18現在)
  • 株主優待とは
  • 配当金/株主優待の受け取り方

 

配当金とは

「さすがにそれくらい知ってるよ」という方もいらっしゃるかもしれませんが簡単に説明します。

配当金とは会社のオーナーである株主に、利益の一部が還元されたお金のことです。

会社が配当をやめない限り、継続して受け取ることができるため、下落相場に強いのが魅力です。

 

配当金が支払われる細かいタイミングは会社によって様々ですが、年二回もしくは年一回

配当が行われるのが一般的です。

また、会社によっては配当金の支払いを行っていないところもあります。これを「無配」といいます。配当金は会社の利益から出すことになるので、できる限り資金を事業へ回したいベンチャー企業などは無配のことがあります。

また極端に業績がおちこんでしまった会社も無配であることがあります。

 

配当金の額は会社や時期によって異なる

配当金の額は会社によって大きく異なります。また、業績の変化によって同一の会社でも

配当金額が変わってくる場合があります。

配当金が増えることを増配、配当金が減ることを減配といいます。増配と減配が行われる場合としては以下の例が挙げられます。

 

  • 増配・・・業績の好調、特別配当、記念配当
  • 減配・・・業績の悪化

 

特別配当とは業績がすこぶる好調であった場合に上乗せされる配当のことで、

記念配当とは、「創業○○周年」「上場祝い」といった会社の節目に、通常の配当にプラスされる分をいいます。

 

配当利回りを計算してみよう

各銘柄の配当金額を比較するうえで知っておきたいのが配当利回りという考え方です。

例えば、

 

A社 配当金は一株あたり50円、株価2000円

B社 配当金は一株当たり60円、株価3000円

 

という2社を比較してみましょう。

パッと見ではB社の方が配当金が多くもらえるため良さそうに見えます。

 

ですが一つ問題なのは、「B社の方が株価が高い」ということです。

ここで登場するのが配当利回りです。

 

配当利回り(%)=(一株当たりの配当金÷株価)×100

 

A社 (50÷2000)×100=2.5%

B社 (60÷3000)×100=2.0%

 

このようにB社の株式が高いことを考慮すると、A社株式のほうが配当に関しては利回りに優れていることが分かります。これが配当利回りです。効率的に配当を手にしたい方は購入の前にチェックするようにしましょう。

 

配当利回り(会社予想)ランキング

2019年2月18日の終値時点でのランキングTop10は以下になっています。

(一株当たり配当金は会社予想値ベースとなっています。)

 

順位 証券コード 名称 取引値 一株当たり配当金 配当利回り
1 9904 ベリテ 409 32.00 7.82
2 3459 サムティ・レジデンシャル投資法人 94,400 6,948.00 7.36
3 7480 スズデン 1,663 120.00 7.22
4 8628 松井証券 1,175 84.00 7.15
5 8963 インヴィンシブル投資法人 46,350 3,258.00 7.03
6 3492 タカラレーベン不動産投資法人 92,700 6,300.00 6.80
7 3451 トーセイ・リート投資法人 110,400 7,280.00 6.59
8 3468 スターアジア不動産投資法人 103,700 6,800.00 6.56
9 3470 マリモ地方創生リート投資法人 106,100 6,910.00 6.51
10 3476 投資法人ミライ 185,200 11,400.00 6.16

 

このランキングを出した後にいうのも憚られますが、配当利回りが高いからと言って

必ずしも良いかというとそうではありません。

 

配当利回りが高くなる要因としては、以下の二つが考えられます。

 

・配当金額が増えた

・株価が下落した

 

株価の下落によって配当利回りが高くなっている場合、業績が低迷している可能性があります。配当利回りがよくても、キャピタルゲインに不安の残る銘柄である場合があるのです。

配当利回りの高い銘柄を購入する前に、いったん立ち止まって、なぜ配当利回りが高くなっているのかを調べるクセをつけておきましょう。

 

 

株主優待とは

これに関しても多くの方がご存じなのではないでしょうか。

株主優待とは、会社から株主へ送られるプレゼントのようなものです。

 

優待の内容は会社によって異なりますが、自社製品の詰め合わせ・お食事券・QUOカードなど様々なものがあります。

ただし、配当と同様に優待制度を設けていない会社も存在します。

またこの制度は日本国内で活発なもので、海外では一般的でないので注意しましょう。

 

配当金/株主優待を受け取る方法

配当金/株主優待を受け取るための条件は以下になります。

 

  • 権利付き最終日の時点で株式を保有していること
  • さらに株主優待については、会社が定める株数を保有していること

 

上の条件を理解するうえで重要な言葉を以下に三つ挙げます。

 

  • 権利確定日・・配当金/株主優待がもらえる権利が確定する日
  • 権利付き最終日・・・権利確定日の3営業日前
  • 権利落ち日・・・権利付き最終日の翌営業日のこと

 

これだけ書いても複雑なので、図で説明していきます。

 

まずは「配当金/株主優待がもらえる権利が確定する日」である、権利確定日が3月31日(金)だったとします。(会社によって権利確定日がいつなのかは異なります。)

 

権利付き最終日 権利落ち日 権利確定日
3月31日(金)

 

次に、権利付き最終日はその「3営業日前」なので、今回の場合3月28日(火)になります。

 

そしてその翌営業日、3月29日(水)が権利落ち日となります。

 

権利付き最終日 権利落ち日 権利確定日
3月28日(火) 3月29日(水) 3月31日(金)

 

これで表が完成しました。

権利確定日が3月31日(金)に設定されている会社の配当金/株主優待は、3月28日(火)に株式を持ち越していれば受け取ることができるということになります。

 

極端に言えば、この場合3月28日(火)に株式を持ち越してさえいればよいので、権利落ち日

の3月29日(水)に株式を売ってしまっても配当金/株主優待を受け取ることができます。

 

しかしこの制度上、権利付き最終日に株価が大きく上昇し、権利落ち日に株価が大きく下落する場合があるので注意しましょう。

どうしても欲しい株主優待とかがあれば、前もって株式を購入しておくことが得策です。

 

株主優待を受け取るための条件である「会社が定める株数を保有していること」はそのままの意味です。

100株保有していれば優待を受け取れる銘柄もあれば、500株の保有が必要な銘柄もあります。

また、銘柄によってはより多くの株数を保有している株主に豪華な優待を用意している

場合もあります。

これらは各証券会社のホームページや会社のホームページに掲載されているので必ずチェックしましょう。

 

今回のブログはこれでおしまいです。皆さんのお役に立ったでしょうか?

配当金や株主優待は、株価の上下に比べてインパクトが小さいかもしれません。ですが、

長い目で見ると利回りに大きく貢献していることが分かります。株式を選ぶ際には配当と優待の利回りもぜひチェックしてみてくださいね

 

次回は「Column  著名投資家に学ぶ」と題しまして、世界的に有名な大投資家の紹介をします。お楽しみに!