初心者コーナー【第12回】必ず知っておきたい、株式の税金

皆さんこんにちは!
今回は株式にまつわる税金を解説していきたいと思います。

株の取引にも税金はかかる

商品を買うと消費税、財産の贈与には贈与税、といったように私たちが生活する中で「税金」を納める機会は数多くあります。

株式においては、次の場合に税金の支払い義務が発生します。

・株式の売却時に利益が出たとき(譲渡益課税)

・配当金を受け取ったとき(配当課税)

所得税と住民税

株式取引で出た利益には「所得税」と「住民税」の2種類の税金がかかります。

具体的には、

所得税・・・15.315%

住民税・・・5%

を足し合わせた20.315%が株式にかかる税金の税率となります。

この20.315%という税率は、皆さんが上場企業の株式を売り買いして得た利益にかかります。具体例を交えて実際に計算してみましょう。

計算例

例えば1株1,000円のA社株式を100株保有しているとしてが、1株1,500円で全株売却したとすると・・・

(1500円×100株)-(1000円×100株)=50,000円

となり、5万円の利益が発生します。

この5万円に先ほどの税率20.315%がかけられるので、

50,000円×20.315%=10,157円

※実際の税計算では、所得税と住民税を分けて計算後、小数点切り捨てして合計します。

つまり10,157円が税金として徴収され、実際に手元に残るのは39,843円となります。

納税の方法

証券会社では株式の税金を納税するために便利な「特定口座」というサービスがあります。「特定口座」を利用すると、納税が簡易になります。

一般口座と特定口座

株式の取引口座には「一般口座」と「特定口座」の2種類があります。

2つの違いは、「証券会社で税額の計算をするかどうか」です。

一般口座とは旧方式の口座で、自分自身で税の計算を行い、確定申告までする必要があります。

確定申告では全ての取引による損益を自身で計算することが求められ、取引の回数が多ければ多いほど作成に手間がかかります。

特定口座とは平成15年1月1日から始まった制度で、証券会社が売買による損益をお客さまに代わって計算をします。さらには証券会社で納税をすることもできます。

※STREAMではすべてのお客さまに「特定口座」で口座開設をしていただいています。「一般口座」での口座開設は受け付けておりません。

源泉徴収ありと源泉徴収なし

特定口座は「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」に分けられます。

源泉徴収あり」の特定口座は証券会社がお客さまに代わって納税を行うことで確定申告の必要がなくなります。

源泉徴収なし」の特定口座では、証券会社が年間の損益をとりまとめた「年間取引報告書」を郵送し、ご自身で確定申告を行う必要があります。

よくわからなければ特定口座(源泉徴収あり)を開設しよう

以上のことから、基本的には「特定口座(源泉徴収あり)」の口座を開くことでややこしい税金の計算から納税まで証券会社に任せておくことができます。正確な損益計算と確定申告の両方を証券会社が代わりに行ってくれるということです。

損益通算や3年繰越は確定申告

先ほど「特定口座(源泉徴収あり)」が確定申告の必要がないとお伝えしましたが、確定申告を行っておいた方がいい場合もあります。

例えば1年間株取引を行ったA証券会社での売却損が200万円だったとしましょう。一方でB証券会社では売却益が100万円だったとします。

この場合税金としていくら徴収されるのでしょうか?

複数の証券会社で取引をしていても、それぞれが特定口座で計算されてB証券会社では100万円の売却益に対して20.315%の税率がかけられるので、200,315円が徴収されます。

ここで、確定申告を行うとA証券会社の売却損とB証券会社の売却益が相殺され、支払った200,315円が還付されます。

これが損益通算の仕組みです。

またこの譲渡損は3年間にわたり繰り越すことができます。つまり先ほどの例だと、

その後3年間発生した利益は確定申告をすることで繰り越される100万円の損失と相殺することができ、還付を受けることができます。

※損失を繰り越すためには取引のない年でも確定申告が必要となります。

※確定申告をすることにより売却益が「合計所得」に加算され、配偶者控除や国民健康保険料に影響する場合があるため、詳しくは税理士や最寄りの税務署へご相談ください。

信用取引の税金

これまで紹介した税金は現物取引に関するものでしたが、信用取引においても税金がかかります。

信用取引の差益への課税

信用取引で得た利益からも現物取引と同様に税金が徴収されます。

信用取引の配当落調整額への課税

信用取引で得た配当落調整額への課税については、現物株式の配当金と少し異なります。

信用取引では配当金を受け取ることができず、その代わり「配当落調整金」が信用の売り方から買い方に支払われ、これは譲渡益として計算されます。

NISA制度

ここまで課税について話をしてきましたが、ここ最近、「NISA」と呼ばれる非課税口座制度が登場しました。

※申し訳ありませんがSTREAMではNISAの取り扱いがございません。

NISAの概要

NISAは2014年からスタートした非課税制度のことです。

1人1口座に限り、配当や売却益が非課税になる「NISA口座」を持つことができます。

例えばNISA口座で購入した株式100万円が、3年後に150万円になったため売却したとしましょう。通常であれば発生した50万円の利益から20.315%の税金が徴収されます。

ですがNISA口座であればこの50万円は非課税となります。

非課税になる投資金額の枠は毎年120万円まで利用することができ、5年以内に売却をすることで売却での利益が出ていても非課税となります。

このNISA制度は2023年を最後に終了する予定となっています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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