投資コラム – 保有している銘柄の決算を迎える – Part.1

 

株式に投資をする場合、チャートや銘柄に関するニュースなど様々な情報を元に売買を判断しますが、投資判断をする上で最も重要な情報の一つとして企業の決算があります。

今回はその決算にまつわる典型的なケースを見ていきましょう。

 

決算について

 

決算とは企業がどれくらい売り上げを上げたか、どれくらい利益を出したかを公の場に発表するイベントのことです。上場企業の決算は年に4回行われ、その年の経営状況の進捗を3ヶ月に1回、投資家に向けて発表されます。ここで発表される内容は企業の経営状況や将来の見通しが含まれており、株価に大きな影響があります。

 

決算が良いと株価は上がって、決算が悪いと下がるの?

 

企業の決算が良いと、当然株価はポジティブに反応し上昇すると考えられます。逆に決算が悪いと株価は下がるはずです。しかし現実はそう簡単ではないケースが存在します。

 

以下の画像は2020年第1四半期、ちょうどこないだのトヨタ自動車の決算短信です。

 

 

新型コロナウイルスの影響を受けて、大幅な減収減益です。過去に見ないくらいの悪い決算になっています。この決算内容を受けた株価の反応は以下になります。

 

<参考例>

Quick Money World – トヨタ自動車

https://moneyworld.jp/stock/7203/chart

 

画像の点線の日付がトヨタ自動車の決算発表の日です。上記の通りの悪い決算でしたが、この内容を受けてその日の株価は上昇し、終値は前日に比べて3%程度の上昇で引けています。またそれだけでなく決算翌日、その次の日も勢いそのままに上昇しています。とても悪い決算にも関わらず株価は反対の動きをしているのです。

 

もう一つの例を見て見ましょう

以下の画像は2020年第1四半期、先ほどのトヨタと同じ時期の半導体検査装置メーカーのアドバンテストの決算になります。

 

こちらも新型コロナウイルスの影響を受けて減益です。しかし前述のトヨタのような他の銘柄が悲惨な決算を発表する中で前年よりも売り上げは上がっており、減益の程度も10%程度と大変健闘しています。この決算内容を受けた株価の反応は以下になります。

 

 

<参考例>

Quick Money World – アドバンテスト

https://moneyworld.jp/stock/6857/chart

 

こちらは7/30の引け後に決算を発表しましたが、翌日の株価はストップ安でほぼ動くことがありませんでした。その後の株価も続落しています。

 

今回の決算はコロナ禍の初めての四半期決算となり、波乱が予想されていましたが。決算内容を受けての反応は大打撃を受けたトヨタ自動車は上昇し、健闘したアドバンテストは売られる展開になっています。

 

どうしてこのようなことが起こるのでしょうか?次回はそのメカニズムについて考えます。

 

Part.2 記事:https://smartplus-sec.com/stream/blog/investment_columu2/