投資コラム-保有している銘柄の決算を迎える – Part.3
前回のPart.2ではなぜ決算内容と株価は反対の動きをするのか?について解説しました。
今回はそれを踏まえて決算に向けてどういう対策ができるかを考えます。
前回の記事:https://smartplus-sec.com/stream/blog/investment_columu2/
自分の持っている銘柄の決算を迎える際は以下のことを心がけると良いでしょう
(ⅰ)市場参加者の予想について頭に入れておく
(ⅱ)決算前までの値動きを把握しておく
(ⅲ)保有銘柄の想定の保有期間やシナリオを自分ではっきりさせておく
(ⅰ)市場参加者の予想について頭に入れておく
これは前回の記事の決算予想の考え方における
「①客観的な情報から推測される定性的な決算の見通し」
「②定性的な見通しから推測される定量的な決算予想」
の内容になります。
この2点をアプリの銘柄情報やニュース、外部サイトを駆使して情報を集めましょう。
STREAMでは信用口座開設をすると四季報が見られるのでぜひご活用ください!
またSNSでも保有している銘柄の見通しをつぶやいているユーザーがいるかもしれません。
(ⅱ)決算前までの値動きを把握しておく
これは前回の記事の決算予想の考え方における
「③決算前までにその銘柄がどのような値動きをしたか」の内容になります。
市場参加者の予想を頭に入れた上で実際の株価はどのような期待を織り込んでいるかを確認しましょう。四半期決算について確認したい場合は、3か月前からの値動きを確認するなど目的に応じて期間を設定するのが良いでしょう。
(ⅲ)保有銘柄の想定の保有期間やシナリオを自分ではっきりさせる
これは市場参加者の予想と値動きを確認した上で、決算が出る前、出た後にこの銘柄に対してどのような行動をとるか?ということをはっきりさせておくことになります。
例えば
・配当や株主優待を含めて長期的に銘柄を保有しているから、四半期決算が期待より悪い決算であっても保有し続ける。
・自分の決算予想に比べて、市場の期待で事前に上がりすぎている。短期的な値動きを目的に銘柄を保有しているので、決算による株価の下落リスクを避けるため前日には売却しておこう。
・決算内容も値動きも特に期待を外れないと考えているが、成長株を保有しているためその売上高成長率が鈍化してきたら、自分のシナリオと違うため決算後に売却する。
のような具体的な内容が固まっていることが理想であると言えます。
こうしたことをしっかりと考えて決算に臨むことで、避けられる損失を回避し決算の内容に関わらず動揺せずに対応することができるでしょう。
番外編
決算についてしっかりと考えた末に、こんな悩みを抱えることがあると思います。
”長期で保有し続けたいけど、目の前の決算での下落も怖い・・・・”
こうした局面に対応するために、保有しつつリスクに対応する方法があります。
信用取引の信用売り(空売り)という手法を使うことで、株を保有しながらもし決算の反応が悪くて下落してもその損失をカバーすることができます。
信用売りの仕組み
信用取引では現金や保有株を担保に、余力以上の株を取引することができます。この取引には買って売却する通常の取引の他に、”先に売却してあとで買い戻す”取引をすることが可能です。このことを「信用売り」または「空売り」と呼びます。
先に売却してあとで買い戻す取引では、株価が下落した場合に利益を得ることができます
例えば今回のアドバンテストの例で考えると
決算前に7,000円で信用売りをして、決算が出た後の5,500円で買い戻すという取引が可能になります。この場合、7,000-5,500=1,500円の利益になります。
つまり決算後に下落するなと考えている場合、決算前に株価が高いところで信用売りを入れておくことで保有銘柄を売却しなくても、下落のリスクに対応することができます。
<参考例>
Quick Money World – アドバンテスト
https://moneyworld.jp/stock/6857/chart
現物取引にある程度慣れた方は、信用取引を上手に使うことで自身の投資の選択肢を広げる事も出来ます。ぜひ検討してみましょう。