初心者コーナー【第7回】銘柄を選んだあとは~会社発表情報の見方~
皆さんこんにちは!
今週も、初心者の皆さんへ向けた株式ブログを書いていきます!
今回は、『銘柄を選んだあとは~会社発表情報の見方~』と題しまして、
日々報道されるニュースが株価にどのような影響を及ぼすのか、実際の例をいくつ��出しな
がら紹介したいと思います。
情報を正しく理解しないと、思わぬ値動きに翻弄されてしまうことがあります。会社発表情報を正しくチェックし、買いか売りかを判断できるようになりましょう!
また、本日紹介する会社発表情報についてですが、なんとSTREAMアプリ内で一括でチェックすることができます!
銘柄詳細ページ内の「ニュース」タブ、または「適時開示」タブからこれらの情報を得ることができるので、是非チェックしてみてください!
- 決算発表
- 業績予想の修正
- 自社株買い
- TOB
決算発表
株式会社は株主への情報開示のため、定期的に決算発表を行います。
そこで発表される決算書には、第3回(./beginner04/)
で紹介した、売上高・営業利益・当期純利益といった業績やその期間の市場環境について
会社側がまとめた文章などが事細かに記載してあります。
決算発表が行われると株価が大きく動く場合があります。
例えば、投資家からの人気が高く、良い業績が期待されていた会社の決算が予想よりも落ち込んでいた場合、発表の直後から売り注文が入り株価が一気に下がることがあります。
逆に、あまり期待されていなかった会社でも、決算発表により業績が堅調に推移していることが分かると急に人気が出て株価が上昇する場合もあります。
ここで気を付けてほしいのは、「決算内容がよかったからといって必ず株価が上がるわけではなく、決算内容が悪かったからといっても必ず株価が下がるわけでもない」
ということです。
大事なことは、「市場の予想と比べて」決算がどうだったかということです。
誰もが好決算を予想できる会社から、その通り良い決算がでても、株価に対する好材料とはならない場合があります。好決算にのって株式を購入したものの、思っていたような値動きにならなかった、ということにならないように注意しましょう。
決算発表の詳しい日時は会社によって異なります。
ですが一年の大まかな流れとして四半期決算という言葉を覚えておくとよいでしょう。
上場企業は1年を3ヵ月ずつ4つの期間に分け、それぞれの期末に決算を発表しています。
つまり一年間に4回、決算発表のタイミングがあるということです。
株式を購入する前に、その会社の決算発表が何月にあるかしっかり確認しておきましょう。
業績予想の修正
上場会社は株主への情報開示の一環として、業績の予想値をだしていることがほとんどです。
業績予想の修正とは、その予想値を変更することをいいます。
そして、その業績予想の修正には上方修正と下方修正の二種類が存在します。
上方修正は予想よりも業績が好調であるときに、下方修正は予想よりも業績が伸び悩んでいるときに発表されます。
お分かりかと思いますが、基本的には上方修正が好材料、下方修正が悪材料となります。
ただし、これはあくまで「基本的には」という話です。
先ほどの決算発表でもお伝えしましたが、業績の上方修正が市場の大方の予想通りであった場合、株価にそこまで好影響を及ぼさないことがあります。
下方修正の場合も同じで、業績の落ち込みが判明したとしても、市場予想の範囲内であれば、株価にあまり影響がでないこともあります。
業績予想の修正がいつ行われるのか、決まった日時はないので、STREAMでこまめに情報収集し、素早く行動できるようにしておきましょう。
自社株買い
株式を購入するのは、投資家だけではありません。株式会社が自身の株式を購入する場合もあるのです。これを「自社株買い」といいます。
様々なニュースに目を通していると、この言葉をよく見ると思いますので覚えておきましょう。
「なぜ自分の会社の株式を購入するのか」
理由の一つには、株主への利益還元ということがあります。
株主へ利益を還元する方法は大きく分けて二つあります。一つ目は配当金の支払い、二つ目は
自社株買いです。
なぜ自社の株を買うことが株主の利益につながるのか疑問に思う方もいるかと思います。
「株を買ってくれるんだから、需要面からみて株価上昇の材料となるのだろう」
という見方もできますがさらに核心的な理由があります。それは
「自社株買いによって株式一つ一つの価値が増すから」です。
「?」
と思った方は、第5回で登場したEPS(一株当たり純利益)を復習してみましょう。
EPS=当期純利益÷発行済み株式数
自社株買いが行われると、市場で取引されている発行済み株式数は減少することになります。そこで業績に影響がなければ、EPSの分母のみが減少することになり、結果としてEPSの改善がなされます。
これが「株式一つ一つの価値が増す」ということです。
このEPSの改善を通した株式価値の高まりこそが、自社株買いによって株主に利益が還元されるという理由なのです。
ただし、自社株買い後の会社の動きには注意しておく必要があります。
例えば、保有した自己株式を後に会社側が売却した場合(これを「処分」といいます)、自社株買いとは逆の要領で株価が下落する可能性があります。自社株買いが行われるというニュースだけでなく、その後の動きも追っておきましょう。
決算発表や業績予想の修正と同じように、自社株買いが行われた場合も、株価が短期的に激しく動くことがあります。自社株買いの意味をしっかりと把握しておけば、激しい値動きが発生した場合でも落ち着いて取引することができると思います。
TOB
上記三つに比べて、TOBを知っている方はなかなか少ないのではないでしょうか。
頻繁に目にするものではないかもしれませんが、発生した場合の株価へのインパクトが大きいのでここでご紹介したいと思います。
TOB(Take Over Bid)とは「買い付け時期・買い付け価格・買いつけ株数、買付けの申込期間などを公表し、不特定多数の株主から売付けの申し込みを受けたのちに、市場外で株式を買い付けること」です。Tender Offerとも言います。
かなり分かりづらいと思うので、詳しく説明していきます。
まず、私たちが株式を買う理由とは何でしょうか?
それは、「買った価格と売った価格との差額で利益を出したり、配当金や株主優待を獲得したいから」だと思います。
ですが、株式は別の目的で買われる場合もあるのです。
一例として挙げられるのは、「その会社を買収・子会社化したいとき」です。
株式はある一定割合を保有することで、その会社の株主総会での議案の可決・否決のイニシアチブを得ることができるので、買収などの一環として大量に購入される場合があるのです。
その際によく行われるのがこのTOBです。
TOBを行う側は、企業買収をできるだけ成功させたいので、確実に買い集めるために、現在の株価よりも高い「買い付け価格」を公表し、大量の株式を買い集めようとします。
つまりTOBが行われている銘柄は売却する(TOBに申し込む)ことでキャピタルゲインを得る可能性が高くなるということができるでしょう。
「そんな話があるのか?」
と疑いたくもなりますが、実際自分の保有銘柄にTOBが発表されることはかなり幸運なことです。
保有している銘柄にTOBが行われるとの発表があった場合は、TOBを理解したうえで焦らずにTOBに申し込むかどうか検討しましょう。
最後に
…いかがだったでしょうか?
今回取り上げた4つの項目は、どれも株式を知るうえで欠かせないものです。急な値動きに惑わされないように、STREAMを活用して情報を集めておきましょう!
来週は「銘柄を選んだあとは2(信用取引の魅力って)」と題しまして、信用取引とは何か?どんなメリット・デメリットがあるのかを詳しくご紹介したいと思います。
お楽しみに!