初心者コーナー【第5回】各投資指標の説明
皆さんこんにちは!
今週も初心者の皆さんのための株式ブログを書いていきます!
前回はテクニカル分析の方法として、チャートとロウソク足の見方、移動平均線について紹介しました。
今回は株式の良し悪しを判断する上でぜひ覚えていただきたい「株価指標」の見方を紹介したいと思います。
今まで見たことのない言葉や計算式が多く難しいかもしれませんが、今回の内容をマスターすれば
脱・初心者間違いなしです!
- ROE
- PER
- PBR
- 自己資本比率
ROE
まず最初に皆さんに紹介するのはROEという指標です。
「なんだこれ!?急に英語が出てきた!」
と思うかもしれませんが、重要な指標ですのでゆっくりと理解していきましょう。
ROEは「Return On Equity」の頭文字をとったものです。日本語に訳すと、
「株主資本利益率」となります。
計算式は・・・
ROE(%)=当期純利益÷株主資本(自己資本)×100
となります。
分子にある当期純利益とは、企業が出した最終的な利益のことで、(第三回参照【./beginner04/】)
分母にある株主資本とは、企業が株式を公開することで集めたお金や積み重ねた利益の額のことです。
この計算式から得られたROEからは、
「企業が、株主から集めた資金をどれだけ効率よく使っているか」が分かります。
例えば、当期純利益100億円、株主資本500億円のA社と当期純利益100億円、株主資本600億円のB社があったとします。
皆さんならどちらの株式を買ってみたいですか?
ここでROEを計算してみましょう。
A社 ROE(%)=(100億円÷500億円)×100=20%
B社 ROE(%)=(100億円÷600億円)×100=16.66…%
A社はB社よりも自己資本が100億円少ないですが、同じ当期純利益100億円を出しています。この「効率性」の差がROEの差となって表れていることが分かります。
ちなみにROEの高さを示す基準として「8%以上」という数値がよく使われます。
これは2014年に経済産業省が発表した「伊藤レポート」によって示された数値で、
これ以降ROEがさらに注目されるようになりました。
また世界的に有名な投資家「ウォーレン・バフェット(※1)」は自身の著作の中で「ROEが15%以上」という基準を銘柄選定に使用すると記しています。
よって、何%以下ならば絶対にダメ、何%以上ならば絶対に大丈夫という絶対的な基準はありませんが、気になる銘柄があった場合はROEを確認し、競合他社と比べて劣っていることはないかチェックしておくとよいでしょう
※1 世界の著名な投資家については第10回にて詳しくご紹介します。
PER
次に説明するのがPERです。
「また英語か・・・」
と思う方もいらっしゃるかもしれませんがこれも重要な指標です。
PERは「Price Earnings Ratio」の頭文字をとった言葉で、「株価収益率」と訳されます。
初めに言っておくとこれは「株価が割高か割安か」を判断する指標です。
計算式は・・・
PER(倍)=株価÷一株当たり純利益
分子の株価は大丈夫でしょう。ですが分母の「一株当たり純利益」については説明が必要かと思います。
一株当たり純利益とは、
「企業の純利益を発行済み株式数で割ったもの」
です。英語でEPS(Earnings Per Share )といったりもします。
つまりこのPERの式は「株価が一株当たり純利益の何倍か」ということを表しています。
例えば、株価2000円で一株当たり純利益100円の株式Aと、同じく株価2000円で一株当たり純利益200円の株式Bがあったとすると、
A PER(倍)=2000÷100=20倍
B PER(倍)=2000÷200=10倍
となります。
この数値を比べることにより、B社の株式がA社の株式に比べて割安であると判断できるのです。
目安として、2018年11月末時点での東証一部の平均PERは22.4倍(※2)となっています。
(※2東京証券取引所 規模別・業種別PER・PBR一覧より)
ただし、業種や市場・時期によって平均PERはかなり異なるので、あくまで目安として考えてください。
PBR
PBRも前述のPERと同様に株価の割高・割安を判断する指標です。
「Price Book-value Ratio」の頭文字をとった言葉で「株価純資産倍率」とも呼ばれます。
まずは計算式を見てみましょう。
PBR(倍)=株価÷一株当たりの株主資本
PERと違うところは分母の部分です。「一株当たりの株主資本」はBPS (Book-value Per Share)とよばれ、
BPS=株主資本÷発行済み株式数
で算出されます。
PERは「株価が一株当たりの純利益の何倍か」という視点から見るのに対して
PBRは「株価が一株当たりの株主資本の何倍か」という視点から割高・割安を判断します。
PBRは1倍が評価の基準となります。
PBRが1倍を上回っている場合、会社の持つ純資産以上に投資家から期待が集まっていることを表し、反対にPBRが一倍を下回っている場合、純資産に対して投資家からの期待が薄いことを表しています。
1倍を下回っている場合は基本的に割安であるということができます。ただし、それはあくまで業績が伴っていることが前提であり、PBR=1倍以下という条件だけで株式を購入するのは早計です。
先に述べたROEやPERといったものと組み合わせることで、良い銘柄を探す助けになるでしょう。
自己資本比率
最後は自己資本比率です。これは「会社の財務の健全性」を示す指標です。
計算式は、
自己資本比率(%)=株主資本÷総資本
となります。
株式会社にはお金の調達方法が大きく分けて二つあります。
一つ目は株式を発行し投資家から出資を募る方法。
二つ目は銀行などからお金を借りたり、社債を発行する方法
株主資本には返済義務がないのに対し、銀行などからの借入金や社債には返済の義務があります。これが大きな違いです。株主資本に比べて借入金があまりにも多いと、金利の支払いと元本の返済をしなければならないため経営が安定しません。
そのため、先ほどの式から算出される自己資本比率は一定以上の数値があることが求められます。同業他社と比較して、自分の買いたい銘柄の自己資本比率が低すぎないことを確認しておきましょう。
いかがでしたでしょうか?
計算式がでてきたりと難しい内容になってしましましたが、今回紹介した四つの指標はどれも重要なものです。一度に覚える必要はありませんので、株式を探す際にちょっと意識してみると頭にはいりやすいと思います。
また今回は紹介しきれなかった重要な指標もありますので、興味のある方は調べてみてはいかがでしょうか?
来週は「板の見方と注文方法(成行・指値)について」と題しまして、実際に株式を購入する際に確認したい、板の見方や需給の関係についてご紹介したいと思います。
難しい話も終わったのでまたゆっくりとご紹介できたらと思います。
お楽しみに!