信用取引コンテンツ【第4回】資産を守る、現物中長期&リスクヘッジの空売り戦略

公式サイトでも詳しく載ってます!

連載の第3回目になります、実践!信用取引攻略の前に

信用取引の概要や基礎は

・スマートプラスのWebサイト
https://smartplus-sec.com/guide/#margin-trading
・STREAM使い方ガイド
https://smartplus-sec.com/assets/static/support/stream_guide.pdf

にも詳しく解説があります。こちらも是非ご参照ください!

現物中長期投資での苦悩

ある程度長い間株を保有するので                その期間中のあらゆるリスクを背負う。

現物の中長期投資では一般的に半年〜1年以上、長期だと10年間以上同じ株を保有する場合もあります。例えば同じ株を10年持ち続けることを想像してみましょう。10年前の今頃はどうでしょうか、リーマンショック直後ですね。現在はアメリカの景気は過去最高と言われていますが、当時は100年に一度の金融危機と言われました。またこの10年間で例えば東日本大震災、チャイナショック、ブレクジットなど様々な出来事がありました。株価の下落は一時的で結果的には持っていれば良かったとはいえ、下落している時はこのままずっと株価が落ちてしまうような恐怖に襲われてしまいます。今後も現物で長く株を持つという事はこうしたリスクに見舞われる可能性が高いです。

◎この10年で起きた主な株式市場の暴落と日経平均株価

良い銘柄であっても株価が下がる局面がある。

中長期投資では企業の成長を信じて、ある程度の期間保有するわけですが、どんな優良企業でも株価が下がる局面が存在します。上記のようなマーケット全体の暴落に加え、一時的な決算の落ち込み、想定外の不祥事、期待先行で買われ過ぎた分の調整など理由は様々ですが、保有しているとなんで下がっているの?と思うような局面も来るかもしれません。

現物投資なので株価下落に対して打てる手が限られている。

長く持つことを前提とした現物中長期投資でやる事は基本的に一つで、バイアンドホールドです。買ったら企業の成長を信じて持ち続けます。逆に言えば上の2つで紹介した株価が下落する局面では、損失が出続けることになります。そのため中長期投資では一時的な株価の下落には辛抱強く耐えて、そのまま持つという対応が基本となります。

信用取引で株を保有したまま株価の下落リスクを回避

空売りによる「リスクヘッジ」

投資では価格変動によって被る可能性がある損失に対して備えておくことを「ヘッジ」すると言います。リスクヘッジとはリスクに備えておくという意味です。
信用取引なら株を購入するだけでなく先に株を売却する「空売り」と呼ばれる取引が出来ることを連載第1回の「教えて!信用取引について」でご紹介しました。
この空売りを利用したリスクヘッジのやり方を具体的に見てみましょう。

保有している現物と同じ銘柄、同じ数量を信用取引で空売りする。

自分の保有している銘柄の価格変���リスクをヘッジするための考え方は単純で、一時的に株を持っていないのと同じ状態にすることです。例えば以下の例を考えてみましょう。

買付単価1000円で500株保有している。現在の株価は1200円。

このケースでは現在の損益は100,000円です。この損益を維持した状態をどのように作るかということをイメージしてみましょう。どうすれば良いでしょうか?

答えは「売付単価1200円で500株を信用売り(空売り)する」になります。
このようにポジションをとればこの後株価がいくら下がっても損益100,000円は変わりません。つまり中長期保有で出ている利益を維持したまま、株価の下落に備えることができます。

株価の下落が落ち着いたところで空売りを決済する。

損益を固定する事で株価変動のリスクに備えた後は実際にリスク局面で株価が下落した際にどこで空売りを決済してヘッジを解消するか?という点を意識します。
この部分の判断はどこまで下落するかを考えるという事になり難しいですが、大事なのはすでに損益が固定されているという事です。むしろ株価がどこまで下がっても損益が固定されていると考えれば相対的に有利な場面と考えることもでき、メンタル面では落ち着いて判断を下す助けになります。

<<注意ポイント>>

その銘柄は制度信用取引で空売りできる銘柄?

空売りでリスクヘッジをするためにはその銘柄がそもそも空売りができる銘柄なのかを
把握しておかなければいけません。日経225など主要な銘柄のほとんどは制度信用取引で空売りすることが可能ですが、新興市場の中小株などは信用買いしか出来ない銘柄も存在します。自分の持っている銘柄の信用取引の取扱いを知っておくことが大切です。
また制度信用取引において貸借銘柄に該当する銘柄は買建て、売建ての両方が可能です。

その銘柄が貸借銘柄なのかどうかは日本取引所グループのWebサイトで開示されているので自分の保有している銘柄をチェックして見ましょう。
【日本取引所グループ:制度信用・貸借銘柄一覧】
https://www.jpx.co.jp/listing/others/margin/index.html

広い視点でのリスク回避の考え方

両建てについて

今回は現物株を保有しながら空売りをする事でリスクに備えるということを説明しました。
この取引戦略は株に限った話ではありません。投資の世界では自分の持っているポジションと全く反対のポジションを持ち、損益を固定してしまうことで価格変動リスクを回避することを両建てと言います。

信用取引とリスク回避の考え方

今回ご紹介した取引方法はリスク回避のほんの一例にすぎません。
では広い視点でリスク回避を考えるときに共通して重要なこととは何でしょうか?

それは自分の持っているポジションの変動とは逆の動きをするものを取引できる機会があるか?という事です。
信用取引における空売りは、自分の保有している銘柄の中でそれが可能で、比較的分かりやすく、リスクをヘッジできるため便利なのです。

 

いかがでしょうか、これらのメリットとリスクを理解した上で次回からはどのように取引に活用していくかを紹介します。

次回の連載は〜株主優待投資家必見!タダ取り優待クロス戦略〜になります!

お楽しみに!